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 チャンス発見(Chance Discovery)とは?

 

【チャンス発見の定義と「ニーズ」】

チャンス発見(Chance Discovery)とは、「稀だが、意思決定にとって重要な事象または状況に気づき、これを理解し行動すること」(大澤03)を意味します。一般的にチャンスは稀少であるだけに、往々にしてその重要性が見逃されがちです。チャンスを発見するということは、言い換えればチャンスがどこにあるのか、結果として見極めることといえるでしょう。

ここで定義しているチャンス発見の概念は、肯定的な好機の意味だけではなく、否定的な危機・リスクという意味も含んだ広範囲のものです。そのために、チャンス発見の「ニーズ」はマーケティング、防災、臨床、知的生産のためのコンセプト提起など多岐にわたっています。特に、近年のビジネス領域からの注目は、日ごとに高まりを見せ、これをきっかけにして本コンソーシアムが設立されるに至りました。

 

【チャンス発見の二重螺旋プロセス】

 チャンス発見では、

  • チャンスへの関心を抱く
  • 目前の事象の意味を理解し、これをチャンスとして未来に生かすシナリオを発案する
  • チャンスを選択し、行動またはシミュレーションを行う
  • 新しいチャンスに関心を抱く

というサイクルを繰り返しながら螺旋状に進む「人のチャンス発見プロセス」と平行し、その人が自分の関心に基づいて選んだ環境データと、その人自身の思考内容を記録した主体データの解析をコンピュータが繰り返す、「チャンス発見の二重螺旋プロセス」が提案されています。ここで、主体データは解析し可視化することによってお互いの関係や違いについて認識することができます。

人が環境データのマイニング結果を理解している最中も、その理解過程までコンピュータに主体データとして取り込み、人とコンピュータがつねに並列に働き続けることから「二重」螺旋と呼んでいます。ここで、チャンスに気づく感度 (prepared mind)は、経験および経験に裏打ちされた関心の高さに依存し,非常に重要です。さらにチャンス発見の原動力として、人と環境とのインタラクションが必要不可欠です。単にデータマイニングだけでは二重螺旋プロセスを展開することはできません.

 

【チャンス発見の「シーズ」】

 チャンス発見を支援する「シーズ」は、データマイニング、認知科学、自然言語処理、リスクマネジメント、マルチエージェントなどの研究が挙げられます。時系列データから有用なパターンを抽出するデータマイニングの延長からその方法を捉える考え方、あるいは、人をチャンスに気付きやすくするために環境と相互作用させる方法など、研究の角度としてはさまざまなことが考えられるでしょう。

・チャンス発見研究の流れ

 チャンス発見は、2000年春より日本を起点に地道に進められた研究活動でしたが、その後科学技術振興機構(JST)をはじめ企業からの研究助成、ワークショップが開催され、Discovery Scienceなどの国際会議におけるセッション、シンポジウムが開催されています。近年では、チャンス発見をヒューマンプロセスと位置付け、チャンス・マネジメント Chance Managementという広い枠組みで考えられるようにもなってきています。稀少な事象・状況を人間や組織が発見するのみならず、いかにして行動にうつす、またはうつさせるかといった取り組みが、研究領域、ビジネス領域の両面で研究・実践されています。



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